営業職
葛城市
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奈良が”清酒発祥の地”であることはご存知でしょうか。 約500年前の室町時代、奈良市菩提山町にある正暦寺にて誕生したと言われています。
そんな歴史をもつ奈良では、酒蔵が30社ほどあります。今回はその中でも創業123年になる梅乃宿酒造において、国内・海外に発信・開拓する方を募集します。
梅乃宿では10数年前から海外展開をしていますが、昨今の和食ブームもあって海外輸出は拡大傾向にあります。更に海外での売上を伸ばしていくためにも優秀な人材を募集しています。
まずは、5代目吉田佳代社長に梅乃宿酒造について話を聞いてみました。
「弊社は創業123年の酒蔵です。創業123年と聞くとかなりの老舗と思われるかもしれませんが、実は、業界内でみると創業200年とか300年とかという酒蔵が普通にあります。日本酒業界においては、私たちは”新参者”なのです。」
創業123年という歴史がありながら、自らを”新参者”と呼ぶ謙虚な5代目吉田社長。そんな梅乃宿は、伝統を守りつつも、新しいチャレンジを続けています。
ここ40年近く、日本酒の消費量が減少の一途をたどっているのはご存知でしょうか。そんな状況の中、今から14年前に生まれたのが日本酒仕込みの梅酒でした。日本酒だけでは生き残っていけないということで考えられた新しいチャレンジです。日本酒は冬場に仕込むので、夏に造ることができる梅酒を思いついたそうです。
ただ、この新しいチャレンジ、伝統を重んじる業界では反発もあったといいます。
「当時、酒蔵が梅酒を造るというのは、大バッシングでしたね。日本酒には”格”がありまして、家庭でも作れるような”梅酒”を、酒蔵が造るということは格を落とすものであると言われました。」
そんなバッシングを受ける中、美味しいものはお客さまに喜んでもらえるという信念で造り続けた結果、今では国内にとどまらず、世界からも「梅乃宿のリキュールは美味しい」と認識されるようになりました。最近では酒蔵がこういったリキュールを造ることがおかしいと思われなくなりました。
「お酒を取り巻く文化が変わってきたのかなと思います。最初はチャレンジするといろんなお声をいただきますが、お客さまが納得していただけることであれば、新しい文化を創ることができると思います。酒蔵が減ってきたとはいえ、全国に酒蔵が1700あると言われています。他の蔵との違いを見せていきたいと思いますので、私たちは新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。」
「よく言う話なのですが、”入り口を広げること”はとても大切だと思っています。よく伝統的なものを守ることは大切だと言われますが、今の時代に合わなくなって使われなくなると伝統自体が残らないと思うのです。だからこそ”入り口を広げること”が大切だと思うのです。」
「例えば友禅染めのアロハシャツや、スーパー歌舞伎などがそれにあたります。これらは昔からの着物ファンや歌舞伎ファンからすると、良く思わない方もいるでしょう。でもそれをやったことで確実に新たなファン層を開拓したと思うのです。」
「日本酒も入口は広くすべきだと思うのです。ある種これまでの伝統的なこととは逸脱した内容であったとしても、それによって興味を持ってもらい、伝統を残すことができると思います。例えば日本酒もそのまま飲むだけでなく、ロックにしたり、レモンを入れたり、緑茶割にしてもいいと思うのです。お客さまが美味しいと思うのであればいいのです。」
また少し違った切り口での”入り口を広げる”ということの取り組みもされています。
若い方たちにもっと日本酒を飲んでもらいたいとの想いから、最近では大学の授業と絡めて、大学で日本酒の勉強会を積極的に行っています。
「大学生のころに質の悪い日本酒を飲んで嫌な印象を持ってしまったら、そりゃ日本酒なんて飲まなくなりますよ。だからこそ一番初めに日本酒を飲むときには、美味しい日本酒を飲んでもらいたいんです。初めて飲んだお酒が美味しければ、きっと日本酒を好きになってくれます。」
”日本酒との良い出会いを作る”ことも酒蔵の役目であると、吉田社長はいいます。
梅乃宿には、会社公式・非公式含めて、新しいことにチャレンジする風土があります。
「レディース会」と呼ばれる女子会を10年前からやっているそうです。そこでは入ったばかりのアルバイトから社長まで、女性であれば誰でも参加でき、和気あいあいとおしゃべりをするというもの。そこからいいアイデアが出たらそれが商品になることもあります。
「社員数50名程度なので酒蔵としては大きい方ですが、一般的な企業でみるとまだまだ小さい企業です。平均年齢も35歳と若く、私自身も『新しいことにチャレンジしよう!』と言っているぐらいなので、やりたいことができる会社だと思います。」
梅乃宿のチャレンジは国内にとどまりません。現在梅乃宿酒造における海外売上比率は12%ほど。今後、20%、30%と伸ばしていくことを目論んでいます。世界で和食が注目を浴びており、これからも日本酒のマーケットは広がっていくとみています。
「私たちもフレンチとかイタリアンを食べに行ったらワイン飲もうかなと思います。それと同じで、外国の方もてんぷらや寿司を食べたら日本酒を飲んでみたいと思うんです。和食が注目を浴びているということは、私たちにとっても大きなチャンスだと捉えています。」
さて、今回募集する仕事に関して、管理部の田中部長に聞いてみました。 営業職の募集になりますが、中長期的にはローテーションもあります。東京支社での勤務の可能性もあるので、予めご了承ください。
「入社していただいたら、1-2か月かけて清酒・リキュールの製造から商品出荷まで一連の業務をやっていただきます。その後営業部に配属になり、営業同行から始めていただきます。日本酒に関する知識はなくても充分に身に付けられますよ。」
営業部に配属になった後、まずは国内営業から担当になります。営業先は、大手問屋もありますが、地域にある地酒専門店がメイン。 「単なるルート販売ではなく、消費者や販売店のニーズを引き出して、それを具現化する仕事になります。新規のお客さまを開拓することはあまり多くありませんが、既存のお客さまが何を求めているのか、何をすれば喜ばれるのかを考えて行動することが大切です。」
梅乃宿の国内営業エリアは、東日本(北海道から愛知県まで)と西日本(関西から九州・沖縄まで)の大きく2つに分かれます。本社勤務の場合、西日本の担当になります。1か月に1,2回程度、1週間単位の出張が発生することもあります。
国内営業を経験したのち、本人の適性をみたうえで海外の仕事もお願いします。海外営業は、国内とは反対に新しい取引先の開拓が必要になります。
海外の場合、まず現地の展示会に参加して、市場がどういったものなのかを把握します。そして、現地取引先との交渉や、その土地にあった商品開発を進めることもあります。相手国としては、台湾、香港、中国などのアジアから、アメリカ、イギリス、スイス、フランス、ドイツ、オーストラリアなど、現在は約20か国との取引があります。
語学ということでは、英語のスキルは必須となります。ただ、ビジネスにおける英語使用経験がなくても、日常的な英語の読み書き会話ができる方であれば対象となります。
現在、国内営業(西日本)・海外営業の両方を担当している神保哲馬さん(新卒入社7年目)にお話を聞いてみました。
高校から大学まで、中国、アメリカ、スペインで勉強をしてきた神保さん。就職活動時、得意の語学を生かした仕事として、工業系や機械系の企業がたくさんありましたが、どうしても親近感が湧かなかったといいます。
「お菓子やお酒など、自分の身近にあるものを中心に就職活動をしていました。中でも日本の文化である日本酒に惹かれました。高校時代から海外で暮らしていたおかげで、日本を外から見ることができました。改めて日本文化は素晴らしいと思い、語学を生かして日本文化を発信していきたい、そんな思いから当時海外進出を考えていた梅乃宿に就職しました。」
今では多くの酒造メーカーが海外に進出していますが、神保さんが入社した当時は、日本酒ブーム・和食ブームもなく、業界としても海外展開はほぼゼロからのスタートでした。主な活動としては海外の展示会に出展し、そこから実績を積み上げていくというスタイル。そんな活動が徐々に実を結びつつあります。
梅乃宿酒造がある葛城市は、奈良公園や斑鳩・飛鳥のような目立った観光地はありません。以前は、海外から訪問されるお客さまは年に1組程度だったのが、今では毎月2-3組は海外から蔵見学に来るといいます。
「蔵見学は直接売上に繋がるわけではないですが、ファン作りのためには重要です。海外の方から興味を持ってもらえることはやっぱり嬉しいですね。」
神保さんに一緒に働きたい方を聞いてみると、「論理的に物事を考えられる方」ということでした。海外に展開していくうえでは様々なマーケティングリサーチが必要となります。例えば日本料理店の数が多いエリアなどを統計で調べて、それに基づき戦略を考える。こういったことが日常的な業務になるため、ロジカルに考えられることが大切です。
また、考えるだけでなく、行動力や調整力も大切です。 「現地に合わせた商品を開発するとなると、商品開発・製造・商品管理など各部門との連携・調整が必要になるため、コミュニケーション力は必須ですね。」
酒蔵ということもあり、社員のみなさんはお酒好きの方が多いそうです。 「社員は、やはりお酒が好きな人が多いですね。自動車通勤の人も多いので毎日とはいかないですが、営業部門の場合月に1回ぐらいはみんなで飲みにいきますね。」
梅乃宿の求める人材としては、語学も必要ですが、それよりも人柄が重要だと吉田社長は言います。 「”やんちゃ”な人を求めています。好奇心旺盛で、チャレンジ精神を持っていて、フットワークが軽く、何かを実現するために周りを巻き込んでいけるような人です。」
日本酒のことを詳しく知らなくても、営業経験がなくても構いません。ただ、個性をうまく光らせて、名前を憶えてもらうことが必要です。
梅乃宿のWEBサイトを見ると、社員の顔が見えるのが印象的です。 「うちにはほんと良い人が多いです。だからもっと”人”を出していきたい。”梅乃宿の営業さん”ではなく、”梅乃宿の〇〇さん”と呼ばれるようになってほしい。みんな嫌がっているかもしれないけど(笑)」
今回の募集では契約社員になりますが、2年目以降から正社員として活躍していただく事を考えています。
「入社してから初めの1年は紀寺の家の”型”を覚えてもらう1年です。紀寺の家を知ってもらったうえで、2年目以降は、紀寺の家を成長させてもらいたい。成長させるのが正社員の仕事です」と俊平さん。
雇う・雇われるの関係ではなく、みんなの個性を出し合って良いものを創っていきたい。そんな想いが伝わってきました。 今回、紀寺の家を取材させていただいて、スタッフの方々はどこか家族のような関係性に思えました。全員下の名前で呼んでいるからなのかもしれません。今回はその雰囲気をお伝えしたいと思い、敢えてスタッフの方のお名前を下の名前で書かせていただきました。
創業123年の老舗企業とは思えない、チャレンジングかつ和気あいあいとした環境。 伝統と革新を併せ持った会社でチャレンジしたい方は、ぜひご応募ください。
(文/中島 章 写真/林 雅志)
梅乃宿酒造株式会社 求人募集要項
企業名・団体名 | 梅乃宿酒造株式会社 |
募集職種 | 営業職 |
雇用形態 | 正社員 |
給与 | 月給190,000円~ ※能力・経験による 家族手当、住宅手当、営業手当 交通費全額支給 |
福利厚生 | ・賞与 年3回 7月・12月・〈6月決算賞与(業績による)〉 ・昇給 年1回 4月 ・社会保険完備、社員旅行2年に1度(直近実績:ハワイ) 健康診断、財形貯蓄制度、誕生日祝、文化教室開催(茶道・ 書道・ゴルフ教室・ヨガ教室) |
仕事内容 | ・酒類販売店への企画営業、マーケティング ・商品の企画、開発 |
勤務地 | 奈良県葛城市東室 本社並びに物流センター |
勤務時間 | 8:30~17:30(休憩時間 12:00~13:00 他)7.5時間 |
休日休暇 | 日曜、祝日、土曜日は会社規定による 夏季・年末年始休暇、有給休暇、特別休暇 |
応募資格 | ・普通自動車免許(AT可) |
求める人物像 | ・コミュニケーション能力にたけた人 ・理解力のある人 ・自分の個性を生かせる人 |
採用予定人数 | 1~2名 |
選考プロセス | まずは下記よりご応募・お問合せください ↓ 書類選考 ↓ 面接 2~3回 ↓ 採用(試用期間3ヶ月あり) ・次の選考ステップに進まれる方のみご連絡させていただきます。 ・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。 ・選考プロセスは変更になる可能性があります。 ・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。 |
その他 | 【問い合わせ先】 E-mail : [email protected] TEL: 0745-69-2121(人事採用係) 【WEBサイト】 http://umenoaydo.com |
東京で人材サービス会社・コンサルティング会社で働いた後、地元奈良へ移住。奈良移住計画を立ち上げ、移住者を応援する活動をしている。