移住者の声「消費ばかりする生活よりも生産的な仕事がしたい」
移住者の声「自分で見たものや生産者がわかるものを手の届く範囲で伝えたい」
2015年11月9日
移住者の声「田舎も好きなんですが、街も好きなんです」
2015年11月23日

移住者の声 vol.2 佐伯 雄さん


出身地:大阪府
現住所:奈良市(東部地域)
移住年:2014年
職業:地域おこし協力隊

消費ばかりする生活よりも生産的な仕事がしたい

これまでの略歴と奈良に移住してきたきっかけを教えてください。

学校卒業後、東大阪にあるテーブルクロスを印刷する会社に4年4か月いました。そこを辞めてから海外へ旅行に行き、帰ってきてから物物交換喫茶というお店を始めました。それだけだとなかなか食べていけないので、アルバイトをいくつか並行してやっていました。またお金が溜まったら旅行行って、帰ってきてアルバイトを経験して、ということを繰り返した後に、島根県の地域おこし協力隊に行きました。

私は大阪出身なのですが、都会で消費ばかりしている生活よりも、もっと生産的な仕事がしたいと思って、地域おこし協力隊になりたいと思いました。通常移住となると、家も仕事も考えないといけないですが、地域おこし協力隊の場合どちらも準備されているので入りやすいですね。休みが多いのも良いですね(笑)

地域おこし協力隊制度は、2010年ごろから開始して、そのときにいくつか受けたのですが、結果として内定をもらったのが島根県美郷町と奈良県天川村の2つでした。そのときは給料面で考えて島根県美郷町を選びました。そこで2年4か月間経験した後、奈良市の地域おこし協力隊に応募しました。ちょうど子供が産まれたタイミングだったのですが、僕も妻も大阪に実家があるので、実家に近い田舎を探しており、奈良市の地域おこし協力隊というのは私の要望にピッタリです。実は一度選考に落ちてしまったのですが、私の前の人がすぐに辞めてしまったらしく、再度私のところに話が来たので今こうして働いています。これも縁ですね。

今はどういった活動をされているのですか?

今は直売所に関する活動が多く、直売所の運営の他に、隣にあるテラスの屋根を作ったり、レンタル自転車のスタンドを作ったりしています。木はこの町のものを使っていてこだわっているんですよ。あとは空き家バンクで空き家の情報もらって、実際に外観を見に行って住めそうかどうかなどを整理したり、担当している町の人と移住希望者の人とを会わせたりしています。

空き家は増えてきているが、このあたりはそんなに顕著には増えていないですね。空き家があっても住めないレベルの空き家が多いです。住める空き家は意外と人気があるので、すぐに売れます。あとは、作家さんたちが工房構えるのにちょうどよいと聞きますね。お隣さんがずーっと遠くだったりするので、音出すのも遠慮しなくていいし。はじめに工房だけ作って、雰囲気がわかってから移り住んだという人はいますね。

人が面白くてウェルカムな雰囲気

実際に奈良に来てみて、よかったことは?

良かったと思うことは結構多いですね。人は面白い人が多くてええとこやなと思いました。島根の経験からするとはじめは警戒されると思っていましたが、ウェルカムな雰囲気でした。最初の挨拶したときからよくしてくれました。紀子さん(写真右)を筆頭に皆さん人当たりが本当によかったです。家族で来たということもよかったのかもしれないですね。

[紀子さん(写真右)]私が田原地区に来て40年経ちましたが、その当時は他者を受け入れられていなかったと思います。もともと地元に関係する人が戻ってくるのは全然問題ないのですが、奈良県内であっても余所からくる人には冷たかったです。当時から来てくれる人を歓迎しないとダメだという思いはありました。そんな田原にも一つのきっかけがあって、河瀬直美監督の映画「殯(もがり)の森」のロケ地になって、一躍注目をされたのです。この映画を観て、本当に良いところに住んでいると実感しました。この映画がきっかけで、スイスのジュネーブ大学の学生たちが3週間滞在しに来て、ショートムービーを取ってくれました。寒い時期だったのですが、自転車で田原を回っている学生たちに対して、「元気かぁ?寒いのに大変やなぁ」とおばあちゃんたちが声をかけてくれたことが、学生たちはすごい嬉しかったと言っていました。それを聞いて、田原も変わったんやなぁと実感しました。


 
written by
中島 章

東京で人材サービス会社・コンサルティング会社で働いた後、地元奈良へ移住。奈良移住計画を立ち上げ、移住者を応援する活動をしている。