移住者の声「面白そうなことに手を出して自分に正直に生きる」

【特集】奈良市のゲストハウスまとめ
2017年11月9日
奈良移住トーク vol.1
2017年12月9日

移住者の声 vol.8 上市 佳織さん


出身地:香川県
現住所:奈良市
職業:経理業務、コープ自然派奈良理事、アースデイ奈良実行委員長など

好きなことを仕事にする働き方

きっかけはひょんなことから

なぜ、大学を奈良にしましたか?

大した理由ではないんですけど(笑)、高校の先輩が奈良女子大学を希望していて、憧れみたいな感じで私も入りました。 あと、早く家を出たくて、家から遠くて通えない距離の場所を選んだというのも理由の一つです。

奈良に住んだ時の印象は?

印象的なのは、引っ越しした初日あたりに雨が降ってきて、濡れて歩いてたら近くにいた通りすがりのおばさんが「これ使い」と傘をくれました。「なんてここはいいところなんだろう!」と思ったと同時に、安心感も生まれたのを覚えています。また、香川となんとなく雰囲気やのんびり具合が似ていて、住みやすいところだなと思いました。

在学中に結婚、出産されたそうですね?

びっくりしました(笑)。でも自分に結婚願望が強かったので嬉しかったのも事実です。自分の性格がぼーっとしてるからか妊娠した時も学校は辞めようとは思わなくて、妊娠6ヶ月で教育実習にも行きました(笑)。

出産後は、夫の三重の実家で義母と一緒に育児しながら、学校に通い無事卒業しました。落ち着いて奈良に戻ってきてから2人目の出産の時に奈良の産婦人科で知り合った母親たちと育児サークルを作りました。子育ては夫が仕事などで留守がちになると母と子は孤独になるものです。そんな時に育児サークルは心強かったです。でも冬には夫の転勤で吉野に行くことに(笑)。吉野に行ってからも育児サークルには通っていました。

吉野の生活はどうでしたか?

吉野の生活はとても面白かったです。吉野では子育てなどの壁にぶち当たり、メンタル的に落ち込んでいた時で、ネットショップをやったり、不思議な活動に参加したり、とにかくいろんなことを試して、試行錯誤をした時期でした。

吉野時代に知り合った人のおかげで、今の活動につながる出会いがいっぱいありました。

吉野では日本中を自転車で旅をする怪しいおじさんとの出会いで「世の中はお金の流れを見ると、世の中の流れが理解できるよ」と教えてくれ、「なんで戦争が起きるのか、環境破壊が起きるのか」などを考えるきっかけとなりました。事柄はすべて繋がっているということがわかり、環境問題についても考えるようになりました。

型にはまらない働き方

今はいろんな活動をされているんですよね?

今は夫の転勤の都合で奈良市に住んでいます。奈良で就職活動するためハローワークにも行きましたが、簿記の資格を持っていたことから吉野時代に知り合った人の紹介で「奈良ストップ温暖化の会」というNPOで経理のアルバイトをはじめました。それがきっかけとなり地球のことを考えるイベント、アースデイ奈良の実行委員会にも入りました。

私の夢は「みんな仲良し」で世界中のみんなが仲良くなれたらいいけど、まずは自分の住んでいる奈良からということでアースデイ奈良は出店者や参加者との繋がりがあり、みんなが仲良くなれる場だと思っています。

育児サークルの繋がりからナラマーシカという奈良のママが仕事を作る団体に入ることになりました。ナラマーシカは子供が主役じゃなく、主役はあくまでも「ママ」。しかも趣味や習い事ではなく、「仕事」にすること。一般的に仕事は、働くっていったら仕事が中心になって自分の時間が犠牲になったり、子供にしわ寄せがいったりしがちだが、ナラマーシカでは「ママライフバランス」といって家庭があって子供があるというのが前提で、それを犠牲にすることなく仕事をするのが趣旨で、私はそこに共感しています。

自分が共感できるかどうかを大切に仕事や活動をして、型にはまりたくないっていう訳ではないけど、自分でできることを積み重ねていったら今の形になりました。ハローワークに行った時に「一回も働いたことがなくて、子供がいて、事務がやりたいって言ってもこの年齢で仕事ないですよ」と言われたことをきっかけに面白そうなことに手を出して自分に正直に生きていったら、こうなりました(笑)。ちなみにこの年齢って言ってもその時は27、8歳でしたが、経験がないとハローワークでは仕事がありませんでした。

これからどんな繋がりができるのかどんな人と仲良くなれるのか、活動をしていく中で楽しみでなりません。

インタビュアーの感想

自分で起業しなくても、面白いこと、興味あることを自分に正直に問いかけ、人との繋がりを大切に、子育てもしながら好きなことを仕事や活動にしている上市さん。

いろんな可能性をいろんな人が見出せるんじゃないか、そんなことを思えたインタビューでした。


 
written by
松村 恵麻

兵庫県出身。2015年に春日山原始林のガイド事業従事のため奈良に住んでいた。化粧品メーカーを経てアロマテラピーとタイ式マッサージの仕事を6年間従事し、身体と精神の両方のケアがしたくて作業療法士になるため、現在奈良の専門学校で奮闘中。